大学共通テスト(センター試験)史上初めて、「情報」科目が導入されるって知っていますか?
情報の授業自体は、2003年より高校で履修されています。
しかし!
親世代が高校生だったときの「情報」とは違い、プログラミングの知識やより深い情報リテラシーが必要になっています。
もはや、親御さんが経験した平成時代の大学入試事情は、子供たちには通用しません…!
この記事では、大学入試に導入されるプログラミングはどのようなものなのか、詳しく解説していきます。
この記事でわかる3つのポイント
・プログラミングを含む新科目「情報」について
・なぜ大学入試にも「情報」なのか?
・対策について
お子さんが小さいと大学入試なんてまだまだ先だと思いますが、先を見据えたプラン設計にぜひご活用ください!
プログラミングが大学入試に導入されるのはいつから?
正式には「プログラミング」という科目ではなく、「情報」という科目の一部にプログラミング問題が出題されます。
この章では以下のことについて掘り下げていきます。
では、解説していきます。
大学入学共通テストでは2025年1月から
2025年1月に実施される大学入学共通テスト(旧センター試験)から、「情報」科目が新設されます。
現行でも、「情報関係基礎」という科目がありますが、「数学Ⅱ」や「数学ⅡB」と同時間帯で選択制であるため、ほぼ受験されていないのが現状です。
今回導入された「情報」は、選択制の科目ではなく、「国語」や「数学」と同等の扱いの科目になったのが大きな特徴。
情報の授業は高校の授業内でも影が薄く、重視している学校も生徒も少ない印象です。
それが、共通テストの独立した1科目になったというのは、非常に大きな変化と言えます。
プログラミングや情報リテラシーに対する需要の高まりを感じるね。
原則すべての国立大受験に必要
国立大学を受験する場合、文系理系問わず、原則的に全員が情報を受験する必要があります。
よって、国立大受験生の受験科目は5教科7科目から、6教科8科目になります。
国立大学の受験は、大学別に実施される2次試験対策や、併願の私立大学対策など、勉強内容が膨大ですよね。
そこにさらに「情報」も追加されるとは、なかなかハードな受験勉強になるのではと思います。
私立大学の一部ではすでに実施されている
慶應義塾大学の総合政策学部・環境情報学部や、早稲田大学の先進理工学部は、プログラミング技術の実績を加味した入学試験を実施しています。
2025年より共通テストに情報科目が追加されたことを受け、ほかの私立大学でも情報科目に準ずるような科目が追加されるかもしれません。
まとめ
・2025年1月の大学入学共通テストより、「情報」科目が追加
・「情報」のなかで、プログラミング問題も出題される
・国立大受験には原則必須
・私立大は各校の動向に注目
共通テスト「情報」の試験概要
大学入学共通テストの「情報」については独立行政法人大学入試センターにて詳細が発表されています。
ここでは、試験概要についてポイントを押さえながら紹介していきます。
試験内容
試験範囲は2022年により必履修科目となった「情報Ⅰ」から、以下の内容が出題されます。
(1)情報社会の問題解決
(2)コミュニケーションと情報デザイン
(3)コンピュータとプログラミング
(4)情報通信ネットワークとデータの活用
コンピュータを用いたCBT方式も検討されていましたが、現時点ではペーパー(マークシート)方式での試験が実施される予定です。
回答時間は60分で、100点満点のテストとなります。
ほかの共通テスト科目と同様、問題ボリュームがあるため、スピーディーに回答を進める必要がありそうです。
使用するプログラミング言語
試験で用いられるプログラミング言語は、DNCL(共通テスト手順記述標準言語)と呼ばれるものです。
学校によって授業で使用するプログラミング言語が異なるため、共通テスト用のプログラミング言語で出題されます。
大学入試プログラミングの例題
試験は教科書内容に準拠するものなので、共通テストで超難解な問題は出題されないと思います。
ただし、高得点を取るためには、高校の情報授業の内容をしっかり理解することは必須でしょう。
以下は、発表されている試作問題の一部です。
画像出典:大学入試センター「令和7年度代諾入試共通テスト試作問題『情報Ⅰ』」
サンプル問題を見て分かるように、単なる知識の暗記ではなく、「自分で考える」問題が多いのが特徴。
直前に過去問題を解くだけでは難しく、日頃から解法を自ら考える力を鍛えることが大切です。
まとめ
・「情報Ⅰ」の範囲内で出題
・回答時間60分でマークシート形式にて回答
・プログラミング言語はDCNLが使われる
・知識の暗記だけでは難しい
なぜ大学入試に情報(プログラミング)が課されたのか
プログラミングを含む「情報」科目が導入された理由は、大学入学以降も情報で学ぶ内容が必要とされているからです。
現在、大学教育における必須教養として、「数理・データサイエンス・AI教育」が普及しつつあります。
また、高大接続の観点からも、高校の「情報」授業は身につけるべき基礎知識という位置づけになっています。
そのため、文理問わず情報が試験に含まれるようになったのです。
大学入試センターも次のように述べています。
「未来投資戦略 2018―「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革―(平成 30年6月 15 日閣議決定)」により,「義務教育終了段階での高い理数能力を,文系・理系を問わず,大学入学以降も伸ばしていけるよう,大学入学共通テストにおいて,国語,数学,英語のような基礎的な科目として必履修科目「情報Ⅰ」(コンピュータの仕組み,プログラミング等)を追加する」とされている。
大学入試センター「平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」
今後、IT人材がどんどん不足するとも言われています。
学業としてはもちろん、社会全体としてプログラミング知識やIT知識の重要性が注目されていると言えます。
まとめ
・大学入学以降も情報リテラシーやプログラミング知識が必要とされる
・「情報」分野は社会的にも必要な知識になってきている
将来を見据えた対策を考えよう!
2025年より初めてプログラミングを含む情報科目が導入されたように、親世代の教育とは異なる新しい考え方が広まりつつあります。
ここでは、将来を見据えて取り組みたいことを2つ紹介します。
論理的な思考を意識する
知識の丸覚えだけでは対応できない問題も数多く出題されます。
文部科学省も、新学習指導要領のポイントとして、「主体的・対話的で深い学び」を挙げていることから、今後は「自分自身で考えていく力」を問うような問題が増えていくのではないでしょうか。
自分の頭で、筋道を立てながら答えを導く「論理的思考」はすぐに身につくものではありません。
日頃から論理的思考を意識しましょう!
…とはいえ、日常生活の中で論理的思考なんて考えていられませんよね。
この論理的な思考を鍛えるという意味でも、プログラミング経験は役立ちます。
プログラミング学習を通して、論理的に考える力も伸ばせるよ!
プログラミングは幼少期から慣れ親しんでおくことができる
情報科目の大学入試対策は、高校生になってからで十分でしょう。
ただし、プログラミングは国語や算数と同様に、義務教育からの基礎の積み重ねが大切になります。
小学算数が怪しいままでは中学数学でつまずきますし、この状態では当然、高校数学にはついていけません。
何事も基礎からの積み重ねが肝心です。
小さいうちから長期的な視点でプログラミング学習に取り組むことで、大学入試を有利に進めることができます。
なお、プログラミングは未就学からでも始められます。
遊び感覚で、プログラミングの考え方や論理的思考を養えるのは、幼少期ならでは!
年長や小学生以降はプログラミングスクールで効率よく学ぶこともできますよ。
子供が小さいうちは絵本やおもちゃからスタート!
プログラミングスクールにはこんなメリットがあります
まとめ
・論理的思考力を磨くべき
・プログラミング学習なら論理的思考を幼少期から養える
まとめ
情報という新設科目のなかで、プログラミング問題が大学入試に導入されることになりました。
国立大受験生は文系・理系問わず受験必須ということで、情報やプログラミングの世間的需要の高まりを感じずにはいられません。
プログラミング学習は幼少期からでも始められるため、まずは絵本やおもちゃなどでプログラミングの世界を知っていくのはいかがでしょうか。
興味があるようなら、プログラミングスクールも効果的だね!